睡眠
赤ちゃんの睡眠Q&A14選:時間の目安から「5-3-3」などの俗説まで
赤ちゃんの睡眠時間の目安、4か月の睡眠退行、夜驚症、「ウェイクウィンドウ」「5-3-3」ルールの真偽など、14の質問に根拠を示して回答します。
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この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。
出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本小児科学会をご確認ください。
赤ちゃんの睡眠については、「1日何時間眠ればいいのか」という基本的な疑問から、「5-3-3」や「ウェイクウィンドウ」といったSNS発の言葉まで、検索されやすい質問がたくさんあります。ここでは、AASM(米国睡眠医学会)・AAP(米国小児科学会)・NHS(英国国民保健サービス)などの一次情報と、実際に確認できたことだけをもとに、14の質問にひとつずつ答えていきます。
赤ちゃんは1日何時間眠るのが目安ですか?
米国睡眠医学会(AASM、米国小児科学会も支持)は、生後4〜12か月の赤ちゃんに1日12〜16時間(昼寝を含む)、1〜2歳に11〜14時間を目安としています。ただし個人差はとても大きく、この範囲から外れているからといって、それだけで問題があるとは限りません。英国NHSは新生児期についてより幅の広い言い方をしており、「1日合計で約8時間の子もいれば、約18時間眠る子もいる」としています。日本の公的機関がこの月齢別の時間を独自に示している資料は確認できなかったため、ここではAASMとNHSの数字を目安としてご紹介します。
生後1〜3か月の赤ちゃんの睡眠時間は少なくても心配いりませんか?
この時期はAASMの月齢別基準の対象外で、NHSも新生児の睡眠時間には「約8時間から約18時間」までの非常に幅広い個人差があるとしています。生後6か月ごろまでに夜間にまとめて眠れる時間は「最大12時間程度まで」延びていくとNHSは説明しており、数週間単位の傾向で見ていくことが大切です。体重の増え方や機嫌が良ければ、時間の数字だけで心配しすぎる必要はありません。
1歳ごろの昼寝は何回が普通ですか?
医学会が公式に定めた回数ではありませんが、1歳の時点では1日2回の昼寝を続けている赤ちゃんが多く、生後12〜18か月ごろ(多くは13〜15か月前後)に1回に移行していくのが一般的な流れだとされています。夜間の睡眠と合わせた合計時間の目安は、AASMが示す1〜2歳の11〜14時間です。移行の時期は子どもによってかなり差があるため、焦らず機嫌や夜の寝つきを見ながら進めてください。
「4か月の睡眠退行」は医学的に正式な用語ですか?
いいえ、「退行(regression)」という呼び方自体は医学用語ではありません。生後3〜4か月ごろに睡眠の構造が大人に近い形へと変化し、その過程で夜中に目を覚ましやすくなったり、昼寝が短くなったりする現象自体はよく知られていますが、これを「4か月の睡眠退行」と名付けて公式に定義している医学団体(AAPやNHSなど)はありません。呼び方はともかく、この時期に赤ちゃんの眠り方が変わること自体は自然な発達の一部です。
睡眠の「退行」は何か月ごとに起こりますか?
「〇か月の退行」という言い方に、決まった年齢のリストがあるわけではありません。保護者や育児ブログの間では、4か月だけでなく、6か月、9か月、12か月、18か月、2歳ごろなど、さまざまな月齢で「退行」という言葉が使われています。どの年齢を対象にするかを定めた公式な医学的基準はなく、成長のペースが個々に違うことの表れと考えるのが実態に近いでしょう。
うつぶせ寝はいつから安全になりますか?
米国小児科学会(AAP)は、常にあおむけで寝かせることを基本としつつ、「赤ちゃんが自分であおむけからうつぶせ、うつぶせからあおむけの両方向に寝返りできるようになっているなら、その後は無理に体をあおむけに戻し続ける必要はない」としています。多くの赤ちゃんがこの「両方向の寝返り」ができるようになるのは生後4〜6か月ごろです。それまでは、置くときも夜中に気づいたときも、あおむけに戻すのが基本です。
赤ちゃんが眠りながら泣き叫ぶのは「夜驚症」ですか?
ほとんどの場合、そうではありません。睡眠周期の合間にぐずったり声を上げたりするのは、空腹や不快感などによるごく普通の行動で、あやせば落ち着くのが特徴です。クリーブランド・クリニックの説明によれば、夜驚症は「ノンレム睡眠中、主に眠り始めて間もない時間帯」に起こり、叫んだり激しく動いたりして「あやしても反応が乏しく」、朝には本人が「覚えていない」のが特徴で、同クリニックは3〜7歳ごろに多いとしています。同ページは乳児期についてはとくに触れていないため、生後1年未満での典型例として断定はできませんが、あやして落ち着く・呼びかけに反応するようなら夜驚症ではなく通常の夜泣きと考えてよいでしょう。
「ウェイクウィンドウ(活動時間)」とは何ですか?科学的な根拠はありますか?
起きてから次の睡眠までの時間を指す育児用語で、医学的に確立した概念ではありません。米エール・ニューヘブン小児病院の小児科医クレイグ・カナパリ医師は自身のサイトで「これは医学部でも小児睡眠医学の世界でも教えられたり研究されたりしている概念ではない。PubMedで検索してもこの用語の文献は一件もヒットしなかった」と述べています。目安として使うこと自体が悪いわけではありませんが、AAPやNHSが定めた公式な時間表ではない点は知っておいて損はありません。
「5-3-3」ルールとは何ですか?
「5時間睡眠・3時間覚醒・3時間睡眠」という夜間のリズムを表す、育児ブログ発祥の非公式な目安です。生後4〜6か月ごろから当てはめられることが多いものの、AASMやAAPなど睡眠医学の専門団体がこの名称を発表・推奨した記録は見当たらず、最初に提唱した人物も特定できませんでした。目安として気楽に使う分には害はありませんが、「守れないと問題がある」という医学的なルールではありません。
「10-3-2-1-0」ルールは赤ちゃんにも当てはまりますか?
いいえ、これはもともと大人向けの睡眠衛生の語呂合わせ(就寝10時間前にカフェインを終える、3時間前に食事や飲酒を終える、2時間前に仕事をやめる、1時間前に画面を見るのをやめる、布団に入ったらスヌーズは0回、という意味)で、フィットネスコーチのクレイグ・バランタイン氏が広めたとされています。赤ちゃんの睡眠に合わせて作られた小児科的な指針ではないため、乳児のスケジュールにそのまま当てはめる必要はありません。
「3-6-9」ルールとは何ですか?
生後3か月・6か月・9か月ごろの発達や生活リズムの節目を大まかに表した、育児ブログ発祥の俗称で、公式な医学用語ではありません。3か月で生活リズムが少し整いやすくなる、6か月で離乳食が始まり活動量が増える、9か月で移動や人との関わりが活発になる、といった一般的な傾向を語呂よくまとめたものです。当てはまらない赤ちゃんも多く、発達の節目として厳密に守るべき基準ではありません。
赤ちゃんの寝不足のサインには何がありますか?
特定の医学団体が定めたチェックリストがあるわけではありませんが、目をこする、機嫌が急に悪くなる、あくびが増える、寝かしつけに時間がかかる・すぐ起きてしまう、といった様子は「眠りたいのに眠れていない」サインとしてよく知られています。日中の様子と夜の眠りのパターンをあわせて見て、必要なら就寝時間を少し早めてみるとよいでしょう。
赤ちゃんの就寝時間は何時が理想ですか?23時就寝は良くないですか?
この時刻でなければいけないという公式な基準はありません。重要なのは時計の針そのものより、月齢に応じた合計睡眠時間(AASMの目安は生後4〜12か月で12〜16時間)が確保できているか、就寝時刻が毎日大きくばらつかないかという点です。23時就寝でも、朝の起床時間や昼寝との組み合わせで必要な睡眠時間が取れているなら、それ自体が「悪い」とは言えません。ただ、就寝が遅い分だけ朝の睡眠で埋め合わせできないことも多いため、無理なく早められるなら少しずつ前倒しを検討する価値はあります。
赤ちゃんの子育てで一番大変な時期はいつですか?
これに唯一の正解はなく、新生児期の細切れ睡眠、生後3〜4か月ごろの睡眠パターンの変化、後追いが始まる時期など、家庭によって「一番大変だった」と感じる時期は異なります。多くの場合、寝つきが不安定になる時期や、いわゆる「黄昏泣き(コリック様のぐずり)」が重なる時期がつらいと感じられやすいようです。今がつらい時期でも、多くは発達の通過点であり、ずっと続くわけではありません。
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