妊娠週数ガイド
妊娠18週
妊娠18週、赤ちゃんはパプリカほどの大きさで聴覚が機能し始めます。胎児スクリーニング(形態超音波)直前のこの時期の発達・症状・栄養を、日本産科婦人科学会・厚生労働省の基準とともに詳しく解説します。
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この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。
出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本産科婦人科学会をご確認ください。
今週の概要
- 時期:妊娠中期(妊娠5ヶ月)
- 赤ちゃんの大きさ:パプリカまたはサツマイモほど — 頭殿長 約14.2cm、体重 約190g
- 今週のポイント:耳が最終的な位置に落ち着き、聴覚が機能し始めます。消化器系が羊水を飲み込む練習を始め、胎脂(バーニックス)が皮膚を保護し始めます。
- 残り週数:出産予定日まで約22週
妊娠18週は重要な週です。赤ちゃんの耳が最終的な位置に落ち着き、機能し始めます。腸の動く音・心拍音・外部の音がかすかに届くようになります。胎児スクリーニング(形態超音波検査)まであとわずか(通常妊娠18〜22週に実施)。多くの方がこの週に初めての確かな胎動を感じます。母子健康手帳に記録しておきましょう。
赤ちゃんの発達
妊娠18週は感覚の発達が中心テーマです。聴覚が機能し始め、神経系が急速に成熟し、消化器系が生後に向けた練習を始めます。
- 聴覚の始まり:中耳の小骨と脳への聴覚神経経路が十分に発達し、外部の音がかすかに聞こえ始めます。腸の動く音・心拍音が最初に届く音です。
- 神経系の成熟:ミエリン(神経の信号伝達を速める保護膜)が形成され始め、脳と体のつながりが劇的に改善されます。
- 消化器系の練習:羊水を飲み込み、腎臓で処理して尿として羊水嚢に戻すサイクルが始まります。腸ではお腹の中で最初の便(胎便・メコニウム)が蓄積し始めます。
- 外性器の確認:外性器が十分に発達し、この週の形態スクリーニングで高精度に性別が確認できます。
- 骨化の継続:長管骨・鎖骨・脚の骨の骨化が続いています。
- 胎脂(バーニックス)の形成:ろう状の保護物質が皮膚を覆い始め、羊水への長期暴露から皮膚を守ります。
- 目:まだ閉じていますが、網膜が腹壁を通して届く光に反応し始めています。
ママの体と症状
妊娠18週になると子宮底がへそのすぐ下に達します。「妊娠中期のお腹のふくらみ」は周囲にも明らかになってきます。この週によく見られる症状は以下のとおりです。
- 胎動(クイックニング):多くの方が、特に経産婦や2人目以降はこの週に胎動を感じます。
- 足のつり(こむら返り):夜間に起きることが多く、血液循環やミネラルバランスの変化が関係していると考えられています。
- 軽い息切れ:ホルモンによる呼吸数の増加と横隔膜への軽い圧迫が原因です。
- 腰痛:姿勢の変化と靭帯の弛緩が組み合わさって腰に不快感が出ます。
- 肌の変化:妊娠線(ストレッチマーク)がお腹・胸・太ももに出始める方もいます。肝斑・正中線は日差しを浴びるとより目立ちます。
- むくみ:特に夕方以降に足首・足の甲が軽くむくむことがあります。
- 胸やけと消化不良:プロゲステロンによる消化の遅れが続きます。
- 鮮明な夢と断片的な睡眠:妊娠中期を通じてよくある症状です。
- 妊娠もの忘れ(ブレインフォグ):ホルモン変化と睡眠の変化によるもので、産後に解消されます。メモを活用しましょう。
栄養
妊娠18週も引き続き栄養の優先事項は同じです。厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」では妊娠中期の付加エネルギーは1日+250kcalが目安とされています。
- 鉄(1日21.5mg):赤身肉・レンズ豆・豆類・枝豆・ほうれん草・ひじき・小松菜・強化穀類。植物性鉄はビタミンCと一緒に。
- カルシウム(1日650mg):牛乳・ヨーグルト・豆腐・葉物野菜・小魚・いわし。
- マグネシウムとカリウム:足のつりの軽減に役立つ可能性があります。バナナ・アボカド・さつまいも・豆類・ナッツ・緑黄色野菜。
- DHA(オメガ3脂肪酸):この週の急速な脳の発達に欠かせません。サーモン・サバ・イワシなどの低水銀青魚・クルミ・亜麻仁・チアシード・藻類サプリメント。
- たんぱく質(1日+25g増量):動物性・植物性を組み合わせて。
- 水分:1日1.5〜2Lを目安に。脱水は足のつり・便秘・めまいを悪化させます。
引き続き避けるもの:生肉・生卵・加熱不十分なシーフード・高水銀魚(メカジキ・キンメダイ・クロマグロ・ムツ)・非殺菌乳製品・アルコール・カフェイン過剰(1日200mg以下)。刺身については担当医に相談してください。
運動
日本産科婦人科学会の推奨に従い、合併症のない妊娠では引き続き週に数回の適度な有酸素運動を続けましょう。妊娠18週になると重心の変化と靭帯の弛緩を感じやすくなるため、安定した低衝撃の運動が特に適しています。
この週のおすすめ:
- ウォーキング
- マタニティスイミング・水中ウォーキング(お腹が大きくなるほど関節への負担が少なく快適です)
- マタニティヨガ(深いツイスト・深いバックベンド・仰向けのポーズは避けて)
- 固定式バイク
- 軽い筋力トレーニング(コントロールされた動作で)
- 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)— お産の回復の土台です
避けるべき運動:コンタクトスポーツ・高温ヨガ・スキューバダイビング・転倒リスクの高い運動(スキー・乗馬)・長時間の仰向け運動・過度の体温上昇。運動中または直後に胸の痛み・めまい・出血・規則的な腹痛・破水感・急激な強いむくみがあれば直ちに中止して産婦人科に連絡してください。
メンタルヘルス
胎児スクリーニング直前のこの時期は、感情が高まりやすい方が多いです。赤ちゃんの細部を詳しく見られるという楽しみと、何かが見つかるかもしれないという不安が交差します。どちらも自然な感情です。形態スクリーニングは圧倒的多数の方にとって赤ちゃんの元気な姿を確認できる安心の機会であり、重大な所見が見つかることはまれです。パートナーや信頼できる方と一緒に受けると心強いです。
睡眠の質は多くの方が想像以上に大切です。足のつり・鮮明な夢・急速に大きくなるお腹の三つが重なって、夜の休息が取りにくくなります。横向き寝のセットアップ(膝の間・背中にクッション)を整え、就寝1時間前の水分を控え、部屋を涼しく保つことが助けになります。
気分が長期間低下している・希望がない・パニックになる・恐ろしい考えが頭から離れないという状態が2週間以上続く場合は、担当医か助産師に相談してください。日本産科婦人科学会は周産期メンタルヘルスのスクリーニングを標準ケアの一部として推奨しており、適切なサポートを受けることは大切なことです。
医師に相談するタイミング
妊娠18週、以下のような症状があれば速やかに産婦人科に連絡してください。
- 性器からの出血(量に関わらず)
- 腟からの液体の漏れ
- 激しい・持続的な腹痛またはリズミカルな腹部のけいれん
- 38℃以上の発熱
- 激しい持続的な頭痛(特に視野の変化・むくみ・上腹部の痛みを伴うもの)
- 排尿時の痛みや血尿、背部・脇腹の痛み(尿路感染・腎盂腎炎の可能性)
- 水分が摂れないほど続く嘔吐
- 顔・手・足の急激な著しいむくみ
- 失神・激しいめまい・安静時の息切れ
少しでも気になることがあれば遠慮なく連絡を。「心配しすぎ」ということはありません。
今週の検査
妊娠18週は胎児スクリーニング(形態超音波)が行われる、または間近に迫っている重要な時期です。日本産科婦人科学会の標準では、通常妊娠18〜22週に実施されます。
- 胎児スクリーニング(形態スクリーニング)〜妊娠20週前後:30〜60分かけて行われる詳細な超音波検査です。成長計測(頭部・腹部・大腿骨)・心臓の四腔と大血管・脳の構造・脊椎・腎臓・膀胱・胃・四肢・胎盤の位置・羊水量・性別(希望する場合)を確認します。
- NT検査(胎児後頸部浮腫計測)〜妊娠12週頃:すでに実施済みの時期です。
- 妊娠糖尿病スクリーニング 妊娠24〜28週:日本産科婦人科学会のガイドラインでは妊娠24〜28週に50gGCT(またはOGTT)を推奨しています。リスク因子がある方は担当医に確認してください。
- 今月の定期健診:血圧・体重・子宮底長・尿検査(たんぱく尿・糖)・ドプラ法による胎児心拍確認。質問のリストを持参しましょう。
胎児スクリーニング受診前に確認したいこと:パートナーや家族の同席の可否・画像・動画データの受け取り方法・膀胱を適度に満たす必要があるかどうかを、受診先の施設にあらかじめ問い合わせておくと安心です。
今週のヒント
- 胎児スクリーニングの準備を整えましょう。同席者の確認・画像データの受け取り方・腹を満たす必要があるかどうかを施設に確認しておきましょう。
- 横向き寝のセットアップを整えましょう。抱き枕(Cタイプや全身型マタニティピロー)、膝の間のクッション、背中のクッションを組み合わせると楽な姿勢が作れます。
- 就寝前にふくらはぎを伸ばしましょう。壁に足をつけてかかとを押し下げる簡単なストレッチで夜間のこむら返りが減ることがあります。
- 日焼け止めを習慣にしましょう。肝斑と正中線は紫外線で濃くなります。毎朝の広域スペクトルUV対策が効果的です。
- 妊娠日記をつけてみましょう。週に数行でも、後で振り返ったときにかけがえない記録になります。初めての胎動の感覚も忘れずに。
- かかりつけの小児科(1ヶ月健診を受ける施設)を調べ始めましょう。産前相談を受け付けている小児科に問い合わせておくと、生後の流れがスムーズになります。日本では生後1ヶ月健診・3〜4ヶ月健診・6〜7ヶ月健診・9〜10ヶ月健診・1歳半健診・3歳健診などが定期乳幼児健診として設定されています。
次への準備
胎児スクリーニングが終わると、妊娠後半の準備が本格的に始まります。出産準備クラス(両親学級・マタニティクラス)の多くは妊娠24〜30週頃からスタートし、お産の流れや呼吸法、産後の育児の基本を学べます。地域の病院・助産院・市区町村の両親学級の情報を今から集めておくと安心です。
授乳(母乳・ミルク・混合)についての考えを整理し始めましょう。日本では助産師(じょさんし)が妊娠中から授乳の相談に乗ってくれます。産後すぐに使える授乳グッズのリストを作っておくと便利です。
赤ちゃん部屋(ベビールーム)を作る予定がある方は、今の体力があるうちに大きな準備を済ませましょう。ペンキ塗りや模様替えはVOCの少ない製品を選び、換気を十分に行い、強い化学薬品の扱いは他の人に任せてください。かかりつけの小児科についても、妊娠28〜34週を目安に産前相談(プレネイタル・ビジット)を申し込めるよう、今からリストアップを始めるとよいでしょう。
里帰り出産を考えている方は、実家近くの産院への受け入れ申し込みの締め切りを早めに確認してください。妊娠22〜24週頃に手続きを求めるところが多いため、早めの行動が大切です。
妊娠18週のよくある質問
妊娠18週の胎児スクリーニング(形態超音波)では何を調べますか?
胎児スクリーニング(日本では「胎児形態スクリーニング」とも呼ばれます)は、通常30〜60分かけて行われる詳細な超音波検査です。超音波技師・産婦人科医が赤ちゃんの成長を測定しながら、心臓の四腔・脳の構造・脊椎・腎臓・胃・膀胱・四肢・臍帯・胎盤の位置・羊水量を確認します。性別を希望する場合はこの検査でほぼ確認できます(赤ちゃんの体位によります)。検査前に膀胱を適度に満たす必要がある場合は担当の施設に確認してください。
妊娠18週に赤ちゃんが動く感覚はどんなものですか?
最初の胎動はとても微細で、気泡・蝶が飛ぶような感覚・下腹部でのかすかなはじけるような感覚として感じる方が多いです。静かに座っているとき・横になっているとき・特に夜は赤ちゃんが活発になりやすいので感じやすいです。前壁胎盤(腹側についている胎盤)や初産の方は妊娠20〜22週まで感じない方もいますが、それも正常の範囲です。
妊娠18週に息切れするのはなぜですか?
妊娠中期の軽い息切れはよくあります。プロゲステロンが呼吸数・深さを増加させ、大きくなった子宮が横隔膜を下から優しく押し始めることが原因です。良い姿勢を保つ、動作をゆっくりにする、やや上半身を起こして寝ることで楽になります。急激に起きた息切れ・安静時の息切れ・胸の痛み・動悸・咳を伴う場合はすぐに産婦人科に連絡してください。
妊娠18週に足がつるのは普通ですか?
はい、妊娠18週頃から夜間の足のつり(こむら返り)は非常によくあります。はっきりした原因はわかっていませんが、血液循環の変化・子宮による圧迫・ミネラルバランスの変化が関係していると考えられています。就寝前のふくらはぎのストレッチ、十分な水分補給、毎日のウォーキング、カルシウム・マグネシウムの摂取が予防に役立ちます。こむら返りが起きたときはつま先を足首の方向に引き上げて筋肉を優しくマッサージしてください。
妊娠18週からいつ横向き寝に完全に切り替えるべきですか?
多くの担当医は妊娠20週頃から横向き寝への移行を勧めています。その頃になると子宮が大きくなり、仰向けになると下大静脈が圧迫されやすくなるためです。妊娠18週から始めておくのは良い習慣づくりになりますし、お腹が大きくなるとどのみち横向き以外が不快になります。左向き寝は胎盤への血流を最もよく保てるとされています。膝の間に枕、背中に枕を置いてやや前傾姿勢にすると楽です。
胎児スクリーニングで赤ちゃんの性別は確実にわかりますか?
妊娠18〜20週の形態スクリーニングでは、赤ちゃんが適切な体位をとっていれば95〜99%の精度で性別が確認できます。丸まっていたり向きが悪かったりすると確認できないこともあります。16週以前の超音波では精度が低くなります。性別を知りたくない場合は、検査の最初に技師に伝えれば配慮してもらえます。
妊娠18週に股関節と腰が痛いのはなぜですか?
リラキシンというホルモンが出産に備えて骨盤の靭帯を緩め始めることで、股関節と腰に痛みが出ます。重心の変化が腰椎への負担も加えます。マタニティヨガ・水泳・サポート力のある靴・横向き寝に膝の間にクッションを置くこと・骨盤ベルトが助けになります。片側に強い痛み・しびれを伴う場合は担当医に相談してください。
妊娠18週に飛行機に乗っても大丈夫ですか?
合併症のない妊娠では、妊娠中期の飛行機移動は概ね安全とされています。国内線・短距離の国際線であれば問題ないことがほとんどです。長時間フライトでは1〜2時間ごとに立ち上がって歩く、十分な水分補給、弾性ストッキングの着用をおすすめします。血圧の問題・前置胎盤・切迫早産のリスクがある場合は担当医に確認してください。出発前に母子健康手帳と妊婦健診の記録を携帯することを忘れずに。
妊娠18週から胎動カウントを始めるべきですか?
いいえ、正式な胎動カウントは妊娠28週頃からが目安です。18週ではまだ赤ちゃんの動きに一定のパターンがなく、カウントの数字が信頼性を持ちません。今は感じる胎動を楽しみながら記録する程度で十分です。妊娠24週を過ぎても全く感じない場合は次回の健診で担当医に伝えましょう。
ドプラ(胎児心拍確認)の数値はどのくらいが正常ですか?
妊娠18週の正常な胎児心拍数は1分間に120〜160回です。大人の心拍より速いのは赤ちゃんの心臓が小さく、身体のサイズに対して大量の血液を送る必要があるためです。一時的な変動は正常です。家庭用ドプラ機器は市販されていますが、専門家は一般的に推奨していません。偽陽性による不必要な不安や、偽陰性による受診の遅れにつながることがあるためです。
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