妊娠週数ガイド
妊娠17週
妊娠17週、赤ちゃんはカブほどの大きさで体脂肪を蓄え始めます。聴覚が発達し、最初の胎動を感じ始める方も。この週の症状、妊婦健診、栄養について日本産科婦人科学会の基準とともに解説します。
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この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。
出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本産科婦人科学会をご確認ください。
今週の概要
- 時期:妊娠中期(妊娠5ヶ月)
- 赤ちゃんの大きさ:カブ(またはザクロ)ほど — 頭殿長 約13cm、体重 約140g
- 今週のポイント:体脂肪の蓄積が始まり、骨化が進み、平衡感覚の発達が始まります。胎動を感じ始める方もいる時期です。
- 残り週数:出産予定日まで約23週
妊娠17週は赤ちゃんの見た目が「ふっくら」した赤ちゃんらしさに向かって大きく変わる週です。これまでとても細かった赤ちゃんの体に、今週から体脂肪が蓄積し始めます。まだ半透明な皮膚の下に、肩甲骨周囲や腎臓まわり、背骨に沿って褐色脂肪(ブラウンファット)が形成され始め、これが生後の体温調節を担います。母子健康手帳を手元に、この週の変化をぜひ記録してみてください。
赤ちゃんの発達
妊娠17週の胎児発達は、体の仕上げに向けた着実な一歩です。見た目は「ふっくら感」に向かい始め、機能面でも重要な変化が起きています。
- 褐色脂肪(ブラウンファット)の形成:肩甲骨の間・腎臓まわり・背骨に沿って特殊な脂肪が蓄積し始めます。生後に体温を維持するために使われます。
- 骨化の進行:四肢の長管骨を中心に、軟骨から骨への置き換えが続いています。
- 汗腺の形成:手のひら・足の裏などに微細な汗腺が形成されています。機能し始めるのは生後になってからです。
- 心臓の成熟:心臓は脳によって調整されるようになり(自発的な拍動から脳制御へ)、1kg体重あたり1日約100mlの血液を拍出します。
- 平衡感覚の発達:内耳の前庭系が機能し始め、赤ちゃんは子宮内での向きや動きを感じ取れるようになります。
- 反射の発達:吸啜・嚥下・瞬き・把握といった生後に欠かせない反射が着実に磨かれています。
- 臍帯(へその緒):血流量の増加に対応するため、より太くたくましくなっています。
ママの体と症状
妊娠17週になると子宮はへその下約4cmに達し、服のサイズが毎週のように変わると感じる方が増えてきます。この週によく見られる症状は以下のとおりです。
- 最初の「ポコポコ感」:経産婦や体型によっては、この週に初めての胎動を感じる方がいます。ガス・腸の動き・泡がはじけるような感覚と間違えやすいです。
- 軽いめまい:血管の拡張と急速に増える循環血液量が血圧を下げ、特に立ち上がるときに起きやすいです。
- 食欲の増加:多くの方がはっきりとした空腹感を感じるようになります。栄養密度の高い間食を準備しておくと便利です。
- 胸やけ:プロゲステロンが胃と食道の境界の弁を弛緩させることで起きます。
- 鮮明な夢と眠りの変化:ホルモン変化と断片的な睡眠が特に鮮明な夢を引き起こすことがあります。
- お腹や胸の皮膚の突っ張りとかゆみ:皮膚が伸びるにつれてかゆさや突っ張り感が出てきます。保湿クリームの活用が助けになります。
- 骨盤・股関節の痛み:リラキシンというホルモンが骨盤の靭帯を緩めることで出産に備えていますが、今は不快感として出ることがあります。
- 体の温もりと脈拍の強さ:血液量の増加で体が温かく感じられ、横になると力強い脈を感じる方もいます。
栄養
妊娠17週の栄養の優先事項は妊娠16週とほぼ同じです。厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」に沿って、妊娠中期の付加エネルギー+250kcalを意識しながら、鉄・カルシウム・たんぱく質・DHA・葉酸・ビタミンDを確保しましょう。
- 鉄分の豊富な食品(1日21.5mg):赤身肉・レンズ豆・ひよこ豆・豆腐・ほうれん草・ひじき・枝豆・小松菜・納豆。植物性鉄はビタミンCと一緒に。
- カルシウム(1日650mg):骨化が続く赤ちゃんの骨格のために。牛乳・ヨーグルト・豆腐・ブロッコリー・アーモンド・小魚。
- 良質な脂質:今週から始まる体脂肪の蓄積にも良質な脂質は重要です。アボカド・ナッツ・種実類・オリーブオイル・低水銀青魚を意識しましょう。
- たんぱく質(1日+25g増量):卵・魚・鶏肉・豆類・乳製品。
- 水分:1日1.5〜2Lを目安に。脱水はめまいと便秘を悪化させます。
引き続き避けるもの:生魚(刺身は担当医と相談)・加熱が不十分な肉や卵・非殺菌乳製品・高水銀魚(メカジキ・キンメダイ・クロマグロ・ムツ)・アルコール・カフェイン過剰(1日200mg以下)。
運動
日本産科婦人科学会の推奨に従い、合併症のない妊娠では週に数回の適度な有酸素運動を継続しましょう。妊娠17週になると重心の変化を感じる方が増えるため、安定した低衝撃の運動がより適しています。
この週のおすすめ:
- ウォーキング(最も安全な基本運動)
- マタニティヨガ(横向きポーズ重視、深いツイストは避ける)
- マタニティスイミング・水中ウォーキング(浮力がお腹の重さを楽にしてくれます)
- マタニティピラティス(マタニティ専門インストラクターと一緒に)
- 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)の毎日の継続
- 軽い筋力トレーニング(仰向け姿勢を避けて)
避けるべき運動:転倒リスクの高い運動・コンタクトスポーツ・高温ヨガ・深い腹筋運動・スキューバダイビング・炎天下での運動。
メンタルヘルス
妊娠17週になると、赤ちゃんと一緒の生活を具体的に想像し始める方が増えてきます。どんな親になりたいか、保育はどうするか、夫婦関係や仕事のバランスはどう変わるか、自分のアイデンティティはどう変わっていくのか。こういった問いは、ワクワクする部分もあれば、ずっしりと重く感じる部分もあります。どちらも自然なことです。
妊娠中のメンタルヘルスで最も過小評価されがちなのが睡眠の質です。頻尿・鮮明な夢・股関節の不快感・頭の中をぐるぐる回る考えが夜間の睡眠を妨げることがあります。就寝前のルーティンを作る、横向き寝に慣れる、就寝1時間前のスマートフォンを控えることが助けになります。睡眠の問題が続く場合は担当医か助産師に相談しましょう。
パートナーはこの時期、何をすれば良いかわからないことも多いです。「次の妊婦健診に一緒に来てほしい」「今夜夕食を作ってほしい」「この不安を10分だけ聞いてほしい」など、具体的なお願いをすることが関係をより良くします。2週間以上続く気分の落ち込み・強い不安・意欲の喪失は日本産科婦人科学会も推奨する周産期メンタルヘルスのスクリーニング対象です。担当の産婦人科医か助産師に遠慮なく話してください。
医師に相談するタイミング
妊娠17週、以下のような症状があれば速やかに産婦人科に連絡してください。
- 性器からの出血(量に関わらず)
- 腟からの液体の漏れや大量の流出
- 激しい腹痛またはリズミカルな腹部のけいれん
- 38℃以上の発熱
- 激しい持続的な頭痛(特に視野の変化・むくみを伴うもの)
- 排尿時の痛みや背部・脇腹の痛み(尿路感染・腎盂腎炎の可能性)
- 水分が摂れないほど続く嘔吐
- 顔・手・足の急激な著しいむくみ
- 失神や失神しそうなエピソード
今週の検査
妊娠17週は多くの場合、大きな検査と検査の間にあたります。日本産科婦人科学会のガイドラインでは、妊娠23週まで4週間ごとの定期健診が標準的です(全体で約14回、公費負担あり)。
- 胎児スクリーニング(形態スクリーニング)〜妊娠20週前後:次の大きな超音波検査は妊娠18〜22週の形態スクリーニングです。まだ予約していない方は、この週に手配を。
- クアトロテスト(妊娠15〜22週に実施可能):AFP・hCG・uE3・インヒビンAの4種類の血液マーカーを測定し、染色体疾患・神経管閉鎖障害のリスクを評価します。スクリーニング検査であり確定診断ではありません。
- NT検査(胎児後頸部浮腫計測)〜妊娠12週頃:すでに実施済みの時期です。
- 妊娠糖尿病スクリーニング 妊娠24〜28週:日本産科婦人科学会のガイドラインでは妊娠24〜28週に50gGCT(またはOGTT)を推奨しています。
- 今月の定期健診:血圧・体重・子宮底長・尿検査・ドプラ法による胎児心拍確認。基礎疾患がある場合は追加検査の可能性があります。
今週のヒント
- 立ち上がるときはゆっくりと。めまいが起きやすい週です。立ち上がる前に一呼吸おいて、血液循環が追いつく時間を与えましょう。
- 胎動を感じたら記録しておきましょう。正式なカウントは28週からですが、今から「ポコポコ」を感じたら日時をメモしておくと赤ちゃんのリズムへの気づきが育ちます。
- サポート力のある就寝ブラに替えましょう。張りを感じる胸はナイトブラで支えると楽になります。
- 胎児スクリーニングの予約を確認・手配しましょう。人気のクリニックは予約が先まで埋まっていることがあります。今すぐ確認を。
- パートナーと赤ちゃんの名前候補を話し合ってみましょう。決定するプレッシャーなしに、楽しみながらリストアップするのは今がちょうど良い時期です。
- 添い寝(川の字)の準備を考え始めましょう。日本では赤ちゃんとの添い寝(おふとんで家族一緒に寝る)は文化的に自然な育て方の一つです。安全な添い寝の方法について助産師に相談しておくと安心です。
次への準備
この先3〜5週間で形態スクリーニング(胎児スクリーニング)・最初の一貫した胎動・妊娠のちょうど折り返し地点が訪れます。出産準備クラス(両親学級・マタニティクラス)の多くは妊娠24〜30週頃にスタートするため、今から地域の病院や助産院の情報を集めておくとよいでしょう。
出産に向けた痛みのケアの選択肢(無痛分娩・硬膜外麻酔・助産師主導のケアなど)についても、この時期から担当医・助産師と話し始めると、焦らず選択できます。産休(産前6週・産後8週)の手続きや職場への報告もまだ済んでいない方は、妊娠22週頃を目安に進めましょう。里帰り出産を考えている方は、実家近くの産院の受け入れ状況を早めに確認してください。
バビームーン(二人でのゆったりした旅行)を考えているなら、妊娠中期は体調が安定しており最も適した時期です。新幹線や国内線での移動は多くの場合問題ありませんが、出発前に担当医に確認しましょう。
妊娠17週のよくある質問
妊娠17週の赤ちゃんはどんな様子ですか?
妊娠17週の赤ちゃんは明らかに人間らしい姿に近づいています。皮膚の下にまだ脂肪がほとんどないため、肌は半透明で赤みがかっていますが、頭部と体のバランスは整ってきました。指の爪が形成され、指紋のパターンが決まり始めています。臍帯はより太く強くなっています。眉毛・まつ毛・産毛(ラヌゴ)も生え始めています。
妊娠17週に赤ちゃんに声は聞こえていますか?
聴覚は発達の途中です。中耳の小骨が硬化し、脳の聴覚野が神経回路を形成しています。妊娠18〜20週頃には大きな外部の音を感知し始める可能性がありますが、17週時点ではまだお母さんの心拍音・血液の流れる音・腸の音などの内部音が主に届いています。今から声をかけたり読み聞かせをしたりすることには、声を認識するための大切な意味があります。
妊娠17週のめまいは正常ですか?
軽いめまいは妊娠中期によくあります。ホルモンの影響で血管が拡張し、血液量が急増しており、仰向けに寝ると大きくなった子宮が下大静脈を圧迫して血圧が下がることがあります。立ち上がるときはゆっくりと、空腹を避ける、水分を十分に取ることが助けになります。めまいがひどい・持続する・視野の変化・頭痛・失神を伴う場合は産婦人科に連絡してください。
妊娠17週でお腹のふくらみはどのくらい出ますか?
多くの方は妊娠17週で明らかなふくらみがありますが、個人差があります。体型・腹筋の状態・子宮の向き・今回が何度目の妊娠かによって異なります。2人目以降は腹筋がすでに伸びているため早い時期から出ることが多いです。妊娠中期が終わるころには全員がわかるようになります。「ふくらみの大きさに正解はない」と知っておくと安心です。
妊娠17週に頭痛が続くのはなぜですか?
妊娠中期の頭痛はホルモン変化・脱水・低血糖・カフェイン減量・睡眠不足・ストレスが主な原因です。こまめな水分補給、規則的な食事、軽いストレッチや首・肩のマッサージ、冷たいタオルを当てることが助けになります。妊娠中に使用できる鎮痛剤については担当医に相談してください(一般的にアセトアミノフェン系が推奨される場合があります)。激しい頭痛・視野の変化・むくみ・上腹部の痛みを伴う場合はすぐに受診してください。
妊娠17週でうつ伏せ寝は大丈夫ですか?
妊娠17週でお腹のふくらみから自然とうつ伏せが不快になってきますが、短時間であれば危険はありません。羊水・子宮・腹壁が赤ちゃんをしっかり守っています。これからの数週間でどんどんお腹が大きくなるため、横向き寝(特に左向き)が最も快適で血流にも良い姿勢になっていきます。
胎動を感じる日と感じない日があるのは普通ですか?
はい、全く普通のことです。妊娠初期の胎動(「クイックニング」)は微細で、ガスや腸の動きと間違えやすいです。赤ちゃんにはまだ動き回る十分なスペースがあり、蹴りがお母さんが感じにくい方向に向くこともあります。17週時点では動きのパターンはまだ一定していません。胎動のカウントを開始するのは妊娠28週頃からが目安です。まだ何も感じなくても正常の範囲内です。
妊娠17週になって胸が再び変化しているのはなぜですか?
妊娠を通じて胸は変化し続けます。妊娠17週には血流増加と母乳産生の準備としてのホルモン作用により、胸が大きくなる・張る・乳輪が濃くなる・血管が目立つ・乳輪にモントゴメリー腺の小さな突起が出るなどの変化が起きます。少量の初乳(コロストラム)が漏れる方もいます。フィット感の良いサポートブラ(特に就寝用)が快適さをかなり改善してくれます。
妊娠17週の腰痛はいつ受診が必要ですか?
子宮が支持筋肉と靭帯を引っ張ること、姿勢の変化に伴う軽い腰痛は妊娠中期によくあります。ストレッチ・入浴・マタニティヨガ・サポート力のある靴が助けになります。ただし、突然の激しい腰痛・片側に強い痛み・下肢への放散痛・しびれや脱力・発熱・出血・規則的な腹痛(早産の症状の可能性)を伴う場合はすぐに産婦人科に連絡してください。
妊娠17週でベビーグッズのリスト(ベビーレジストリ)を作り始めた方が良いですか?
多くの方は妊娠17週頃にアイデアを集め始め、胎児スクリーニング(妊娠18〜22週)後に本格的に準備を始めます。急ぐ必要はありません。最初の3ヶ月間に本当に役立つもの(安全な寝床・チャイルドシート・授乳グッズ・洗替え用の衣類)を中心にリストを作りましょう。日本ではパンパース・メリーズ・ムーニーなどの国内ブランドのおむつが信頼性が高く広く使われています。
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