妊娠週数ガイド
妊娠27週
妊娠27週は妊娠後期の入口です。赤ちゃんは約36.5cm・875gに成長し、大脳皮質の溝が急速に発達します。しゃっくり・むくみ・胎動カウント開始・入院準備の始め方を解説します。
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この記事は一般的な情報提供を目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。お子さまについては必ず小児科医にご相談ください。
出典:WHO・CDC・AAP・NHS。推奨は国によって異なります。日本については日本産科婦人科学会をご確認ください。
今週の概要
- 時期:妊娠後期の入口(妊娠7ヶ月後半〜8ヶ月始まり)
- 赤ちゃんの大きさ:頭からかかとまで 約36.5cm、体重 約875g
- 今週のポイント:大脳皮質の溝(脳回)が急速に増え、明確な睡眠・覚醒サイクルが確立します。目は完全に開き、瞳孔が光に反応します。
妊娠27週は妊娠後期の入口です。妊娠の約3分の2が終わりました。赤ちゃんは設備の整ったNICUがあれば90%以上の確率で生存可能な段階に達していますが、まだ長期的な健康のために子宮内での成長が必要です。大脳皮質は急速に折り畳まれ(脳回形成)、脳の重量は妊娠27週から40週にかけておよそ3倍になります。このことからも、妊娠27〜40週がいかに脳の発達にとって重要な時期かが分かります。お母さん自身は「後期の症状」がいよいよ現実になってくる週です。むくみ・腰痛・頻尿が増し、お腹の大きさに驚かれる方も多いでしょう。母子健康手帳への記録を欠かさずに。
赤ちゃんの発達
- 脳:大脳皮質に特徴的な溝と隆起(脳回)が急速に形成されています。明確なREM睡眠と非REM睡眠のパターンが観察できます。神経接続のネットワークは毎日急速に拡大しています。
- 肺:肺胞でのサーファクタント産生が増加し、赤ちゃんは羊水を吸い込んで吐き出す「呼吸の練習」を続けています。この動きが横隔膜を鍛え、しゃっくりの原因にもなります。
- 眼:完全に開いています。網膜の視細胞(桿体・錐体)が発達し、瞳孔が光に反応して収縮・散大します。
- 聴覚:特定の声のパターン・言語のリズムを聞き分けられます。繰り返し聞いた音は出生後に記憶として確認できることが研究で示されています。
- 味覚:味蕾が形成され、お母さんの食事の風味が羊水を通して届きます。にんにく・バニラ・甘い食品などの風味が羊水に移行することが確認されており、胎内での味の体験が生後の食の好みに影響する可能性があります。
- 免疫系:胎盤を通した母体からのIgG抗体の移行が続いています。これが出生後の新生児期を守る受動免疫です。
- 脂肪:皮下脂肪が蓄積され始め、皮膚のしわっぽさが少しずつ解消されてきます。
ママの体と症状
妊娠27週から、いわゆる「後期症状」が本格化します。
- むくみ(浮腫):足首・足の甲・手のむくみが増します。
- 夜間のこむら返り:夜間に突然ふくらはぎが痙攣する症状が増えることがあります。
- むずむず脚症候群:安静時に脚を動かしたくなる不快な衝動が夜間に現れることがあります。
- 息切れ:少し動いただけで息が上がるようになります。
- 頻尿:子宮が再び膀胱を強く圧迫します。
- 便秘・痔・下肢静脈瘤:骨盤内の圧迫が持続します。
- 胸やけ・消化不良:引き続き多くの方に見られます。
- 不眠と鮮明な夢:寝返りが打ちにくくなり、眠りが浅くなります。
- ブラクストンヒックス収縮:練習収縮がより頻繁に、より目立つようになります。
- 初乳の漏れ:少量の黄色い初乳が漏れ始める方もいます。
- 妊娠線の拡大:皮膚が伸びるにつれて新しい妊娠線が現れたり、既存のものが広がったりします。
- 腰痛・骨盤の圧迫感:赤ちゃんの重みが骨盤に伝わるようになってきます。
栄養
赤ちゃんが急速な成長期に入る妊娠27週、栄養の質がこれまで以上に重要です。
- 鉄(1日21.5mg):赤身肉・鶏肉・豆腐・ひじき・枝豆・ほうれん草。植物性鉄はビタミンC食品と一緒に摂取して吸収率を上げましょう。
- カルシウム(1日650mg):ヨーグルト・牛乳・豆腐・小魚・小松菜・ひじき。
- ビタミンD(1日8.5μg):鮭・さんま・きのこ類・ビタミンD強化食品。
- DHAオメガ3(1日200〜300mg):後期の脳の急成長に特に重要です。水銀の少ない青魚(さんま・いわし・サーモン)か藻類由来のサプリメントで。
- コリン(1日450mg相当):記憶・脳の発達を支えます。卵・大豆製品・鶏肉・豆類から摂りましょう。
- 食物繊維(1日18g以上)と水分(1日1.5〜2L):便秘・むくみ・循環の改善に効果的です。
- たんぱく質(1日+25g増量):毎食に意識して分散して摂取することで、安定したアミノ酸供給になります。
引き続き避けるべき食品:アルコール(完全に禁止)、高水銀魚、生肉・生魚(刺身は担当医と相談)、非殺菌乳製品・ジュース、生スプラウト、カフェインは1日200mg以下に。妊娠糖尿病と診断された方は担当医の食事療法指導に従ってください。
運動
妊娠後期も運動は大切です。妊娠27週に特に適した活動を選びましょう。
- ウォーキング:平らな場所をゆったりとしたペースで。引き続き有効です。
- マタニティスイミング・水中ウォーキング:水の浮力が関節・靭帯への負担を劇的に減らします。腰痛・むくみに特に効果的です。
- マタニティヨガ:骨盤の柔軟性・呼吸の意識・穏やかな筋力強化に効果的です。
- 固定式バイク:バランスへの影響が少ない安全な有酸素運動です。
- 骨盤底筋運動(ケーゲル体操):出産準備と産後回復の両面で欠かせません。毎日の習慣に。
避けるべき運動:長時間の仰向け姿勢、コンタクトスポーツ、スキューバダイビング、ホットヨガ・サウナ(体温上昇リスク)、転倒リスクの高い活動、骨盤痛や息苦しさを引き起こす運動。収縮・出血・液体漏れ・視力の変化・めまい・胸の痛み・ふくらはぎの腫れ・痛みがあれば運動を中止し産婦人科に連絡してください。
メンタルヘルス
妊娠27週は「出産が現実のことになった」と感じる方が多い週です。毎晩鮮明な夢を見る・出産への中程度の不安・赤ちゃんへの期待・巣作り(ネスティング)衝動が重なって現れます。
睡眠を守ることを最優先にしてください。涼しく暗い部屋、就寝前60分のスクリーン断ち、左を下にしてマタニティピローで体を支える姿勢、夜間の水分制限(日中はしっかり飲む)が助けになります。大きないびき・睡眠中の息切れ・十分に寝ても疲れが取れない場合は、妊娠性睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。子癇前症・妊娠糖尿病との関連も指摘されていますので、担当医に相談してください。
パートナーがいる場合は、この週に明確な話し合いをしておくことをおすすめします。夜間授乳の分担・産後の面会ルール・育休・産後の里帰りや実家のサポート体制・出産への不安など。また、添い寝(川の字寝)については日本では古くから自然な文化として定着しており、パートナーや家族と安全な環境について率直に話し合っておくと安心です。妊娠中のうつや不安は決して弱さではありません。悲しみや強い不安が2週間以上続く場合は、担当の産婦人科医や助産師に相談してください。
医師に相談するタイミング
妊娠27週からは早産への注意が重要です。以下の症状があれば速やかに産婦人科に連絡してください。
- 37週未満での規則的な収縮(1時間に4回以上)
- リズミカルに繰り返す腰痛
- 赤ちゃんが押し下がってくる感覚・骨盤の強い圧迫感
- 月経痛のような下腹部の痛み
- 性器出血・ピンク色や茶色のおりもの
- 腟からの液体の漏れ・大量の流出
- 激しい頭痛・視力の変化・右上腹部の痛み
- 顔・手の突然の強いむくみ
- いつもより明らかに胎動が少ない
- ふくらはぎの腫れ・痛み・赤み(血栓の疑い)
「大したことないかもしれない」と思っても、迷ったらすぐに産婦人科に連絡することを恐れないでください。担当医も確認の連絡を歓迎しています。
今週の検査
妊娠糖尿病スクリーニング(75gOGTT)がまだの方は、今週が妊娠24〜28週のウィンドウの最後の機会です。日本産科婦人科学会のガイドラインに沿って、担当医と確認してください。この時期の妊婦健診では以下が行われることがあります。
- 貧血チェックのための血液検査(CBC)
- Rh陰性の方へのRh免疫グロブリン(28週頃に投与予定)の確認
- インフルエンザワクチン接種の確認(妊娠中推奨)
- 子宮底長の計測・ドップラーによる胎児心音確認
- 次回から2週間ごとの健診スケジュールへの切り替え確認
- 出産準備・バースプランについての相談
NT検査(妊娠11〜13週)・胎児スクリーニング超音波(妊娠20週頃)はこの週の対象外です。母子健康手帳に全ての検査記録・次回健診日を必ず記入しておきましょう。
今週のヒント
- 来週(妊娠28週)から胎動カウントを始める準備をしましょう。今週から赤ちゃんが活発な時間帯のパターンに注意を向けておくと、28週以降のカウントがスムーズです。
- 入院準備リストを作り始めましょう。バッグの準備自体は妊娠35〜36週で十分ですが、今のうちに何が必要かをリストアップしておくと後が楽です。
- チャイルドシートを早めに取り付け・点検しましょう。産院・消防署・民間の育児支援センターなどでチャイルドシートの取り付け確認サービスを行っているところがあります。
- 母乳育児クラス・赤ちゃんのお世話クラスに申し込みましょう。妊娠27〜32週が受講の最適な時期です。産院・助産院・地域の保健センターで開催されています。
- 里帰り出産の段取りを最終確認しましょう。里帰り出産を検討している方は、実家近くの産院の受け入れ時期・書類・移動のタイミングを担当医と改めて確認しておきましょう。
次への準備
妊娠28週から妊婦健診は2週間ごとになります。36週からは毎週になり、妊娠36週頃にはGBS(B群溶連菌)検査も行われます。このリズムを把握して、職場・家族のスケジュールと照らし合わせておきましょう。
今後数週間でやっておきたいこととして:ベビールームの最終準備・両親学級の修了・かかりつけ小児科の決定(日本小児科学会の「かかりつけ医」制度を活用して産前に1度受診するのがおすすめ)・産後の家事・育児サポート体制の調整(パートナー・両親・産後ドゥーラの利用検討)・育児休業給付金の申請確認(産後8週間の産休終了後に育児休業を取得)。産後の急激な生活変化に備えて、今のうちに小さな準備を積み重ねておくことが、出産後のゆとりを作ります。
妊娠27週のよくある質問
妊娠27週は妊娠後期の始まりですか?
数え方によって異なります。多くの文献では妊娠後期の開始を妊娠28週としていますが、妊娠27週とする考え方もあります。どちらの定義でも、ここからは本格的な後期の準備段階です。妊婦健診が2週間ごとに変わり、赤ちゃんは急速に体重を増やし、出産に向けた準備を本格的に進める時期です。母子健康手帳を手に取り、今後の健診スケジュールを担当医と改めて確認しておきましょう。
赤ちゃんがしゃっくりしているような動きを感じます。これは何ですか?
胎児のしゃっくりです。呼吸の練習で横隔膜が収縮することで起きます。お腹の一ヶ所でリズミカルにトントン・ぴくぴくと感じる動きが特徴で、1〜15分程度続くことがあります。神経系の呼吸パターン調整を助ける大切なプロセスと考えられており、1日に何度起きても赤ちゃんには痛みはありません。他の胎動が正常であれば心配は不要です。妊娠32週以降に毎日頻繁に起きるしゃっくりについては担当医に伝えてください。
妊娠27週から急に足がむくんできました。これは大丈夫ですか?
足首・足の甲・手の軽度のむくみ(浮腫)は妊娠27週頃から非常によくある症状です。血液量が大幅に増加し、子宮が足への静脈還流を圧迫し、水分貯留が起きることが原因です。足を高くする、長時間立ちっぱなしを避ける、軽いウォーキング、十分な水分補給が助けになります。顔・手の突然の強いむくみに頭痛・視力の変化・右上腹部痛が伴う場合は子癇前症のサインの可能性があるため、すぐに産婦人科に連絡してください。
Rh陰性の場合、Rh免疫グロブリン注射はいつ受けますか?
Rh陰性血液型で赤ちゃんの父親がRh陽性またはRh不明の場合、担当医は妊娠28週頃にRh免疫グロブリン(抗Dグロブリン)の投与を勧めます。これにより、お母さんの免疫系が赤ちゃんの赤血球に対する抗体を作るのを防ぎます。この処置は今回の妊娠だけでなく、次回以降の妊娠にも影響する大切な予防措置です。出産後に赤ちゃんがRh陽性と確認された場合は、72時間以内に2回目の投与が行われます。
妊娠27週の赤ちゃんは夢を見ていますか?
研究では、この時期の赤ちゃんにREM睡眠に似た周期が観察されています。REM睡眠は大人や年長の子どもにおいて夢と関連する睡眠段階です。妊娠27週の赤ちゃんが「夢を見ている」かどうかは科学的にまだ議論中ですが、神経基盤はすでに整っています。赤ちゃんは20〜40分ごとに活動期と静止期を繰り返すようになっており、「動く→静かになる→また動く」というリズムで感じられます。
妊娠27週から初乳が出てきました。これは正常ですか?
はい、正常です。妊娠後半から黄色みがかった初乳(コロストラム)が少量漏れ始める方がいます。一方、出産直前まで全く漏れない方も多く、どちらも正常です。漏れが気になる場合は授乳パッドを活用してください。初乳を手で搾ったり「貯めたり」する必要はありません。ただし、妊娠糖尿病がある方には担当医が出産前の搾乳(アンテナタル・コロストラム収集)を勧める場合があります。
妊娠27週での早産兆候はどのように見分けますか?
妊娠27週で生まれた場合、NICUでの集中的なケアが必要ですが、設備の整った施設では生存率は90%以上です。早産の兆候として以下に注意してください。規則的な収縮(1時間に4回以上)、腰痛がリズミカルに繰り返される、骨盤の圧迫感や赤ちゃんが押し下がってくる感覚、月経痛のような下腹部の痛み、腟からの液体の漏れ、出血。これらがあれば翌日の健診ではなく、その日のうちに産婦人科に連絡してください。早期に対応することでステロイド投与(肺成熟を促す)などの処置が可能になります。
胎動カウントはいつ、どのように始めればよいですか?
多くの産婦人科医は妊娠28週から正式な胎動カウントを開始するよう勧めています。方法は次のとおりです。赤ちゃんが活発な時間帯(食後・夕方が多い)に左を下にして横になり、明確な動きを10回数えます。多くの場合、2時間以内にすぐ10回に達します。もし2時間経っても10回に満たない場合は、冷たい飲み物を飲んで再度試みてください。それでも不十分なら同日中に産婦人科に連絡してください。妊娠27週の今のうちから、どの時間帯に赤ちゃんがよく動くかを意識し始めておくと28週からのカウントがスムーズです。
入院準備バッグはいつ用意すればよいですか?
妊娠27週は入院準備リストを作り始めるのに良いタイミングです。バッグ自体は妊娠35〜36週頃に用意すれば十分ですが、今のうちに必要なものをリストアップしておきましょう。母子健康手帳・保険証・診察券・お産施設の確認書類、産院・入院中の着替え(前開きのパジャマが便利)、産後用ショーツ・授乳ブラ、スマートフォンと長めの充電ケーブル、ペットボトル用ストロー、退院時の赤ちゃんの服(季節に合ったサイズ50〜60cm)、チャイルドシートの取り付け確認(早めに行うことをおすすめします)。おむつ(パンパース・メリーズ・ムーニーなどの新生児用)は産院で提供されることが多いですが、念のため1パック用意しておくと安心です。
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